季節のことば/茶杓の銘 6月「よひら」
はじめに
「茶杓の銘」とは、茶道具の「茶杓」に名付けられた名前のことです。
お茶会では、道具の取り合わせについて亭主に尋ねる場面があるのですが、その時にいかに季節や場に添った銘を紹介できるかで、亭主のセンスが問われます。
お茶会に参加する機会がなくても、ことばを通じて季節を感じていただけたらと思います。月に1つずつご紹介していきます。
「よひら」とは?
「よひら」とは何のことか分かりますか??
初めて聞いた時には、全く意味が分からず、四つ葉のクローバーのようなイメージで「幸運のこと?」などと思っていました。
・・・??
「よひら」とは「アジサイ」のことなのです!
アジサイの花弁が4枚あることから「よひら」。漢字では「四葩」と書きます。
聞いて納得ですね。「四葩」は、俳句の夏の季語としても使われています。
「アジサイ」とは言わずに、「よひら」とは風情がありますよね。
こうした間接的な表現で想像を掻き立てるのも日本語らしくてとても素敵です。
知っていると「おぉ!」と驚かれる言葉なので、ぜひ覚えておいてくださいね。
季節の庭から
アジサイとは関係ありませんが、庭の柿の木に小さな実を見つけました!まだ2~3センチほどの可愛い柿です。下から見て、実よりガクのほうが大きく見えるのでいかに小さな実か分かると思います。
実に付いたガクも4枚。これも”よひら”と言えるかな?と、ふと思い出しました。