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【茶道の作法】お菓子の食べ方、抹茶の飲み方

茶道の楽しさの1つはなんといってもお菓子と抹茶をいただくことですよね。
「茶道にはいろいろお作法があったはず・・・」と思いつつも、それを知らないとどこから手をつけて良いのやら!?楽しめませんよね。
今回は茶道の作法として基本となる、お菓子の食べ方と抹茶の飲み方についてご案内します。

【茶道の作法】お菓子の食べ方

1.隣りの方に「お先に」と挨拶をする

2.菓子器を両脇から軽く持ち上げて感謝をする
  *高さは5cm程度で大丈夫です。

3.帛紗挟みから懐紙を取り出し、膝前に置く

  ~懐紙の扱い~
  *懐紙は基本的に束のまま使用します。
  *懐紙の二つ折りの「わ(山折り側)」を自分側に向けます。
  *水気のあるお菓子の場合、撥水性のある「りゅうさん紙」があると便利です。

4.箸(黒文字)を取る

  ~箸の扱い~
  右手で箸の中央を上から取り、左手で下から受け、右手を右側から滑らすようにして持ちましょう。
  *箸は、長さにより横一文字に置かれていることもあります。
   写真では、菓子器に対して箸が短いため斜めに置かれています。

5.左手を菓子器の左側に添えて、菓子を取り懐紙に乗せる

  ~お菓子の扱い~
  *菓子器には、お菓子が奇数個(1個、3個など)乗せられてきます。
  *基本的に手前の取りやすいものから取ります。
  *末客のお菓子が「残りもの」と見えないよう、中央のお菓子が最後に残るような心遣いができると素敵ですね。(決まりではありません!)

6.箸の先を懐紙の端で拭き、綺麗にする

7.箸を菓子器の上に戻す
  *左手を箸の下から受け、右手を上から箸の中央を取る

8.菓子器を両手で持って次の人の前へと送る

9.お菓子を食べる

  ~お菓子の食べ方~
  *懐紙を左手のひらの上に乗せて、菓子切り(黒文字)で切って食べます
  *お菓子の大きさにもよりますが、切るのは2~3回程度。
   細かく切り過ぎずに、手早く食べましょう。
  *亭主側はお菓子を食べ終わるタイミングを見て抹茶を出します。
   亭主を待たせないことも客側の心遣いです。

10.懐紙・菓子切りをしまう

  ~しまい方~
  *菓子切りは懐紙で拭きましょう。
  *使用した懐紙は、菓子のカスが落ちないよう八つ折り程度に折り、片づけます。
   懐紙の束の間などに入れておきましょう。
  *懐紙は抹茶を飲んだ後にも使用します。
   手に取りやすいところに持っておきましょう。

【茶道の作法】抹茶の飲み方

お菓子を食べ終わった頃を見計らって抹茶が出てきます。
この時、茶碗の正面が自分側に向けられて置かれます。

1.隣りの方に「お先に」と挨拶をする

2.畳の縁(ヘリ)の内側に取り込み、亭主に向かって「お点前頂戴いたします」と挨拶をする

3.茶碗を右手で取り、左手のひらの上に乗せる

4.茶碗を軽く掲げ、感謝を表す

5.右手で茶碗を時計回りに2回ほど回し、正面をよける
  *正面をよけることで、遠慮する気持ちを表します。

6.抹茶を飲む
  *「三口半で飲み切る」とも言われますが、無理せずにいただきましょう。

7.最後の一口は、“吸い切り”をする
  *吸い切り:「スッ!」と音を立てることが「ごちそうさま」の合図となります。

8.飲み口を指で拭く
  *口紅が残らないよう注意しましょう。
  *汚れた指は、懐紙(お菓子の「10」で使用したもの)で拭きましょう。

9.茶碗を時計と反対周りに2回ほど回し、正面を自分側に戻す

10.右手で畳の縁外に置く

11.茶碗の柄などを拝見する

   ~茶碗の拝見~
   *畳に両手をつき全体を見てから、持ち上げて回したりしながら周りを見ます。
    茶碗を置いて、最後にまた両手を畳について全体を見ます。

12.茶碗を右手で持って、左手のひらに乗せる

13.右手で時計回りに2回ほど回し、相手(亭主)に正面を向けて返す

終わりに

初めのうちは手順が気になってしまうと思いますが、その背景にあるのは同席した方や亭主への感謝の気持ちや心遣いです。失礼のない所作と無駄のない動きで、お茶の場を気持ちよく過ごしましょう。

そして何より自分が楽しみましょう!