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【茶道の知識】実はシンプル!?茶道のお点前は5つのパートで構成

「茶道のお点前」というと何かと細かいルールがあって、難しそうなイメージがありませんか?
「お茶を点てるまで何をやっているのだろう??」という疑問も。。。

実はどんなお点前も、流れはほぼ5つのパートで構成されているんですよ。
10分程度のお点前も、30分以上かかるお点前もそうなのです。
それぞれのパートについて順を追ってご案内しますね。

*亭主の所作の解説ではなく、お点前全体の流れのご紹介です。

茶道のお点前の構成、5つのパートとは?

茶道のお点前は、下記の5つのパートで構成されています。

1.道具を運び出す
2.道具を清める
3.お茶を点てる
4.仕舞う(道具を清め、片づける)
5.道具を拝見に出す(道具をお披露目する)

1.道具を運び出す

総礼(そうれい:一同で一礼)をしたら、亭主はお点前に使う道具を茶室に運んできます。
水が入った水指(みずさし)や茶碗・茶筅、棗、建水などを往復して所定の位置に置いていきます。

2.道具を清める

これから使用する道具を清めます。
「清める」とは、お湯を通したり、拭いたりといった動作です。
もちろん、運んでくる前にも綺麗にしていますが、お客様の前でもあらためて清めます。

所作としては、棗や茶杓は帛紗(ふくさ)を捌いて拭き清めます。
茶碗はお湯を入れて温めると共に、茶筅(ちゃせん)もお湯にくぐらせてお湯に馴染ませ清めていきます。

3.お茶を点てる

全てのお道具が清められたところで、抹茶・お湯を入れて茶筅でお茶を点てます。

客側は、この頃までにはお菓子を食べ終えておきます。
*濃茶の場合は、別室でお菓子を食べてから茶室に入室します。

4.仕舞う(道具を清め、片づける)

使い終わった道具を洗ったり、拭いたりして再び清め、最初に運び出した位置へと戻していきます。

5.道具を拝見に出す(道具をお披露目する)

お点前に使用した道具を客側にお披露目をします。
客側は道具の一つひとつを近くでじっくり見ることができます。

ここでは、正客が代表して亭主に対して道具について尋ね、亭主が答えていくという問答を行います。

茶道のお点前、どのパートを楽しむ?

お点前の流れ、いかがでしたか?

初心者の人が最初に習うお点前でも、ベテランの人が行う複雑なお点前でも基本的にはこの5つのパートで構成されています。意外とシンプルではないですか??

全体の構成が分かっていると、一席の楽しみ方が変わってくると思います。

私が考える、各パートでのお点前の楽しみ方をご紹介します。

1.「道具の運び出し」の楽しみ

お道具が運び出されてくるときは、客側にとっては「今回はどんなお道具が出てくるのだろう?」という楽しみがあります。

2.「道具を清める」パートの楽しみ

”帛紗さばき”が始まると、茶道らしさが出てきますね。

意外と人気!?があるのは、茶筅を持ち上げて回転させる「茶筅通し」の場面です。友人にも「それカッコイイ」と言われて驚いたことがあります(笑)。

3.「お茶が点つ」楽しみ

茶道のお点前として、一番分かりやすい場面ではないでしょうか。

茶筅を振る手首の動きは日常ではあまりないので、その速さに驚かれる方も多いです。客側にとっても、お菓子の後で美味しいお茶を待つ楽しい時間ですね。

4.「仕舞い」の楽しみ

お点前としては地味なパートですが、お茶が出た後なので和んだ空気の中、淡々と仕舞われていくお道具を眺める、名残り惜しさを味わう時間です。

5.「道具の拝見」の楽しみ

道具の取り合わせは、その一席のテーマや趣向など亭主の“意図”が表れています。
亭主は、季節に添った趣向やお祝い事や初釜といった節目にちなんで、絵柄や銘を取り揃えています。

そのため、「道具の拝見」は亭主の取り合わせの「妙」や「その人らしさ」を感じる場面なので、茶道をする人にとっては、ここが一番楽しい時間となります。

「茶道の学びに終わりはない」と言われますが、こうした道具の取り合わせを拝見して学び、自分もまた取り合わせを考え、工夫するといったことが茶道の長い長い学びへとつながっていきます。