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茶道ではじめに覚えるべき、道具の名前一覧

茶道を始めたばかりの方や、茶道を始めてみたい方にとってハードルとなるのは、道具の数々ではないでしょうか。

日常生活では使わないものばかりなので、名前も分からず、何に使うのかもイメージできないかもしれません。

そこで、ごく基本的なお点前(おてまえ)で使用する道具について名前や使い方を一覧でご紹介したいと思います。

茶道の道具、名前一覧

1.茶碗(ちゃわん)

茶碗

お抹茶をいただくための器。

さまざまな産地の独特な焼き物があり、絵柄のある・なしなど種類が豊富です。
季節によって、「筒茶碗」や「平茶碗」といった形が異なる茶碗を使用することもあります。
*濃茶(こいちゃ)で使用する茶碗と種類が異なります。

2.茶筅(ちゃせん)

茶筅

抹茶を点(た)てるための道具。

竹の皮を割いてブラシ状の形に作られています。
穂先が非常に繊細で折れやすいため、扱いに注意が必要です。
洗う時は、内側と外側からつまんで、穂先に向かってしごくように抹茶を落としましょう。
*薄茶は「点てる」と言いますが、濃茶は「練る」と言います。

3.茶杓(ちゃしゃく)

茶杓(節が中央にある)

抹茶をすくうための道具。

竹を反らせて匙の形にしています。真ん中あたりに“節”のあるものを使いましょう。
節が端(根元)にあるものは、「元節(もとぶし)」と言って、上級者のお点前で使用します。
お手入れは、水に浸けてしまうと竹がまっすぐに戻ってしまうため、汚れても水で洗ってはいけません。乾いたティッシュ等でふき取るようにしましょう。

4.茶巾(ちゃきん)

茶碗の水気を拭くために使用する、麻でできた布。

布の二辺の端が糸で“かがられて”おり、それぞれ向きが異なります。
使用する時は向きを間違えないように気を付けましょう。
*最近では、「新お茶巾」といって不織布でできたものもあります。
 感染対策用として使い捨てができるので安心です。
 ただ、布の茶巾と比べて滑りにくいので、個人的には少々扱いにくい印象です。

5.棗(なつめ)

抹茶を入れる器。

棗の実に形が似ていることから名付けられています。
形や大きさもさまざまですが、初心者が一般的に使用するのは「中棗(ちゅうなつめ)」です。
蒔絵や螺鈿などの装飾のあるものや、木地を活かしたものまでさまざまあります。

6.釜(かま)

お湯を沸かすための道具。このお湯で抹茶を点てます。

鉄でできており、地味な印象があると思いますが、意外にかわいいデザインも多いです。
蓋の“摘み”や“環付(かんつき:運ぶ時に使用する胴から突起している箇所)”がどんぐりだったり、ひょうたんだったり、龍だったりします。
けっこう凝っているものがあるので、注目してみると面白いと思いますよ!

7.水指(みずさし)

水指

水を入れるための器。この水で釜のお湯の温度を調節したり、茶碗を洗ったりします。

茶碗と同じく、焼き物でできていることが多いです。
ただし、蓋は同じ焼き物でできている「共蓋(ともぶた)」と、木に漆が塗られている「塗り蓋(ぬりぶた)」の二種類があります。

8.柄杓(ひしゃく)

柄杓(炉用)

お湯・水をすくうための道具。

竹でできており、炉用(11月~4月)、風炉用(5月~10月)により使い分けをします。
柄杓の柄(え:持つ側の一番先のところ)の作りで見分けます。
竹の表面側から斜めに切られているものが炉用。竹の裏面側から斜めに切られているものが風炉用となります。垂直に切られた“兼用”もあります。

9.蓋置(ふたおき)

蓋置(左:風炉用、右:炉用)

釜の蓋を置くための道具。

竹、焼き物、金属などがあり、基本的には竹を使用しますが、棚を使ったお点前の場合は焼き物や金属のものを使用します。
竹の蓋置は、炉・風炉によって使い分けをします。
節の位置が上端のものは風炉用、中央あたりのものは炉用となります。

10.建水(けんすい)

建水

茶碗をゆすいだ後のお湯を捨てるための入れ物。

金属、木地、焼き物などがあります。
お稽古では丈夫な金属製の建水を使用することが多いように思います。
ただ、お点前の始めに建水に柄杓を乗せて運ぶのですが、滑りやすいので注意が必要です。また、終わりにはお湯が入っているので熱くて持ちにくいなど、少々難点もあります。

個人で用意するお道具

ここまでは、専門的な道具ですので、茶道教室などで用意されていることがほとんどです。茶道のお稽古をするにあたっては、帛紗など個人で用意するお道具もあります。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。

 

覚えるべき道具が多くて大変だと思いますが、それぞれに無くてはならない道具です。
ぜひ楽しみながら覚えていきましょう。