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利休百首に学ぶ 2「習わずに善し悪し言うは・・・」

利休百首とは

茶道における心構えやルールなどが百首の和歌にまとめられたものです。

しかし、茶道だけでなく日常生活にも活かせる内容なので、1首ずつご紹介していきます。今回は2首目です。

利休百首 2首目

習いつつ 見てこそ習へ 
習わずに 善し悪し言うは おろかなりけり

自分でやりもせずに、あれこれと批判や評価をするのは愚かなことだ、という意味です。その世界に入ってこそ分かること、見えるものがありますよね。

「茶道って○○しなきゃいけないんでしょ?」

茶道に関して、よく人に言われるのが・・・
「茶道は正座をしなきゃいけないんでしょ」
「抹茶は回し飲みするんでしょ」
といった、「○○しなきゃいけないんでしょ」がとても多いです。。。

もちろんそういった場面もあります。
しかし、正座ばかりでなく、立礼(りゅうれい)という、椅子(=床几:しょうぎ)に座って机(=御園棚:みそのだな)などで行うお点前もあります。(お客様ももちろん椅子に座ります)

回し飲みをするのは、濃茶のみで薄茶では行いません。
ただ、濃茶においてもコロナ禍を受けて、各服点て(かくふくだて)という一人1碗でいただくことがメインになりつつあります。

そういったお話をすると「そうなんだ!」と驚かれます。
聞きかじった話しで茶道のハードルを上げてしまっているのはとても残念です。

「茶道」といってもお茶会に参加するばかりでなく、ご自宅で自由に抹茶を点て好きなお菓子を食べることも茶道と言えると思いますので、「善し悪し言わずに」ぜひ気軽に触れていただきたいなと思います!

11年間迷ってやっと始めたこと

茶道に関しては、「善し悪し言わずに気軽に!」と言ったものの、実は11年間迷いに迷って、やっとこの4月に始めた習い事があります。

「折型(おりがた)」という、和紙の扱いに関する作法で、武家礼法の1つを学び始めました。

身近な例で言うと、のし袋があります。結婚式などのお祝い事と、お葬式などの弔い事で折り方が異なりますよね。このようなことをはじめとして、さまざまな和紙の扱いを学んでいきます。

扱うのは和紙ではありますが、その根底の思想や考え方は茶道や着付けにも通じるものがあり、私が今後とも日本文化を伝えていくうえで、より知識を深められると思い始めることにました。

11年間迷っている間は、まさに「習わずに善し悪し」を言っていました。 
この11年間で学びを深めていたら、今はどんなに違っていただろうと悔やまれます。
愚かですね。。。

私のように残念な思いをしないよう、気になるものがあればぜひその世界に入ってみることをおすすめいたします。

4月です。何かをスタートするには良い季節ですよ!

【ご参考】過去紹介の利休百首