1月の御銘 慶雲(けいうん)
慶雲とは、おめでたいことが起きる前兆として現れる雲のことです。
1月に限ったものではありませんが、おめでたい席にふさわしい言葉だと思います。年のはじめに縁起が良い言葉でしたので、ご紹介させていただきました。
似た言葉で「瑞雲(ずいうん)」もよろしいかと思います。
禅語 慶雲生五彩(けいうん ごさいをしょうず)
「慶雲」を使用した禅語に「慶雲五彩を生ず」という言葉があります。おめでたいことが起きる前兆の慶雲には美しい色彩を帯びている、という意味です。
冒頭の写真のように珍しい雲を見ることができたら、きっと良いことが起きそうですよね。また、一方で、”いつもの雲”であったとしても、色彩が感じられるような豊かな感性と穏やかな心を持ち合わせていれば、きっとおめでたいことを引き起こせるのではないかなとも思います。そう在りたいですね!
初釜にて
1月に入り、初釜に向かうらしきお着物姿の方をよく見かける気がします。
私も先週の社中の初釜に続き、今週はコーチをさせていただいている学校の茶道部にて初釜をいたしました。
こちらのお席でも「慶雲五彩を生ず」のお軸を出させていただきました。
慶雲って本当にある??
雲に虹のような色彩が表れる現象は、「環水平アーク」と呼ばれる自然現象だそうです。雲の中の氷の結晶に太陽光が当たり、屈折することで虹のような彩りが現れるのだとか。
太陽高度が58度以上で~などと条件があるようですが、日本では3月~9月頃のお昼前後に現れる確率が高いそうですよ!近いうちに見られるといいですね。
【ご参考】御銘について
御銘とは、茶杓の作者が付けたテーマのようなものです。季節に添ったもの、禅語などさまざまです。
お茶会では、亭主が買い求めたものや亭主自身が削ったものが取り合わせられるわけですが、お稽古の場ではいつも銘がついた本格的なものを使うわけにはいきません。そこで、お稽古用の無銘のお道具を使いつつ、お点前の「拝見(お道具の紹介)」の場で、いかに素敵な御銘を紹介するかで感性が試されるのです。お点前の手順だけでなく、こうした感性を磨くこともお茶のお稽古のひとつとなります。
【ご参考】これまでにご紹介した御銘