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茶道歳時記 初釜

初釜とは

新年最初のお茶会を「初釜」と言います。新年ということもあり、どちらの会もひときわ華やかなお茶会なのではないかと思います。初釜のお約束としては、お菓子に「花びら餅」をいただくこと。

それでは、花びら餅のご紹介と共に初釜はどのような流れで行われているのか、私の社中の例を挙げてご紹介しますね。

私の社中の初釜

私の社中では、お家元での”初釜”という呼び名から遠慮して「お稽古はじめ」と呼んでいます。また、一般的には先生にお招きいただき、生徒の皆さんがお客様として入られるお茶会かと思いますが、私の社中では先生が日頃よりお世話になっている方々をお招きし、社中一同で催す会となるため他とは少し趣が違うかもしれません。

※お茶室内で写真を撮ることは、一般的にはマナー違反とも言われていますので、一部イメージ写真となります。ご了承ください。

鏡餅

鏡餅

茶室の入口には毎年立派な鏡餅がお出迎えをしてくれます。
伊勢海老、干し柿、昆布などなど、おめでたいものがたくさん飾られています。
(それぞれの意味も今後お勉強したいと思っています。。。)

濃茶席

待合(まちあい)という前室で花びら餅をいただき、本席へと移動し濃茶をいただきます。通常の濃茶なら、一碗を複数人で回し飲みとなるのですが、やはりこのご時世のため一人一碗の”各服点て”でいただきました。今後はこちらが主流になるのでしょうね。

先生のお点前を拝見しながら、新年のご挨拶とお道具に関していろいろお話を伺いました。干支や歌会始の勅題(今年は「友」)になぞらえたお話は勉強になります。

床の間にはお正月ならではの結び柳椿を設えるのが決まりごとです。

結び柳と椿を設えた床の間

花びら餅

花びら餅は、御所に献上されたものであることから「御所鏡(ごしょかがみ)」とも呼ばれています。中には、味噌餡と甘く煮たごぼうが入っており、丸いお餅で包んだ半円形の和菓子です。裏千家では、初釜でのお約束のお菓子となります。

花びら餅

和菓子にごぼう!?と私も最初に知った時は驚きましたが、もともとは平安時代に無病息災を祈る宮中の「歯固めの儀式」に由来し、ごぼうは干し鮎を和菓子として変化させたものと言われています。

お祝い膳

濃茶の後にはお祝い膳としてお食事をいただきます。
同席させていただいた皆さんと談笑しながら、美しいお料理に目からも楽しみます。お雑煮は関西風の丸餅と味噌仕立てでした。

お祝い膳

薄茶席

最後は薄茶をいただきます。例年は待合で香煎をいただいていましたが、こちらもご時世柄控えることに。

薄茶席は、椅子に座って行うお点前「立礼(りゅうれい)」で行いました。
(お客様のいない合間に遠くからパチリ)

今年の干支「うさぎ」が描かれたさまざまなお茶碗が会場を楽しませていました。

薄茶席は立礼(りゅうれい)

終わりに

いかがだったでしょうか。
ご招待客の方が多いので、ホテルの会場をお借りするので、あまり一般的な初釜とは違うかもしれませんが、雰囲気が伝わりましたら幸いです。