季節のことば / 茶杓の銘 12月 「無事」
早いもので、もう12月ですね。
12月のお稽古では、茶杓の御銘に「無事」をよく使わせていただきます。
「茶杓の御銘とは?」という方は、こちらもご覧ください。
12月の御銘 無事(ぶじ)
この1年を振り返り、悲喜こもごもさまざまな想い・出来事があったと思いますが、大きな災難もなく、平穏無事に過ごすことができたという感謝を表すと共に、何かと忙しい師走に取り乱すことなく、新しい年を迎えられるようにと祈って「無事」が年末に御銘としてよく取り上げられます。
禅語 無事是貴人(ぶじこれきにん)
合わせて知っておくべき言葉として、禅語の「無事是貴人」があります。
臨済禅師の言葉をまとめた語録「臨済録」にある言葉ですが、こちらは少し意味合いが異なります。
「どんな境遇にあっても、あたりまえのようにやり遂げる人こそが貴ぶべき人である」という意味です。
周りの人にいいところを見せようと取り繕ったり、厄介な状況にあるからといって面倒臭がったりジタバタすることなく、平常心のままに取り乱すことなく、素直にものごとを進めていく・・・かっこいいですね。なかなかできることではありません。まさに”貴ぶべき人”ですね。
「いろいろあったけど、これで良かったのだ!」と、良い意味付けをして1年を締めくくれると良いですね。