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選ぶ決め手は?茶道の流派

はじめに

いざ、茶道を始めてみよう!と思った時にまず最初に気になるのは流派でしょうか。よく周りの方から「茶道はいろいろ流派があるんでしょ??」と聞かれるため、分かる範囲でご紹介したいと思います。

茶道の流派について

茶道は千利休が作ったわけではなく、その以前からありました。千利休はこれまであった茶道を「侘び茶」として体系づけた人なのです。そのため、ひと口に茶道といっても、利休以前のもの、以降のもの、そして大名家それぞれの家で定まっていった流派など、挙げればキリがありません。さまざまな流派について詳しくは他の方の記事にお任せしますが、簡単に代表的な三千家についてご紹介します。

三千家について

裏千家」「表千家」「武者小路千家」が茶道の三千家と呼ばれる流派で、それぞれ千利休のひ孫たちが興した流派です。

利休の養子、宗旦が宗旦流を興し、その息子たち(つまり利休のひ孫たち)が三つの流派へと分かれていきました。

次男の宗守が、京都の武者小路にて「武者小路千家」を興しました。
三男の宗左が、宗旦流を引継ぎ、四男の宗室は、宗旦流の裏で流派を興したため「裏千家」と呼ばれ、最も人口が多い流派となります。
また、「裏千家」ができたことでこちらに対して宗旦流が「表千家」と呼ばれるようになりました。

*ちなみに私は裏千家の茶道をしています。この場では中立な立場での意見を心掛けていますが、やはり裏千家の知識が多いため、情報量に偏りがあるかもしれませんが、ご了承ください。

流派の違いが表れるところ

三千家だけでなくそれぞれの流派は、その成り立ちの歴史的な経緯から主に下記の違いがあると思います。

 思想の違い

表千家武者小路千家は、伝統を重んじると言われています。対して裏千家は、時代に合わせて新たなお点前を作る柔軟性があるようです。広く茶道の普及を目指して、学校の部活での「学校茶道」や海外での活動にも力を入れています。

 お点前の手順や点て方・道具の違い

手順については、茶室に入る足の運びや道具の扱いなどで違いがあります。武者小路千家では、装飾が無く、無駄のないシンプルな動きと作法と言われているようです。
ただ、正直なところ、習う前は手順の違いの認識が難しく、流派選びとしてさほどポイントにはならないのでは?と思います。

薄茶の点て方においては、表千家武者小路千家では泡の無いところを残す点て方をし、お茶の味わいが深いようです。一方、裏千家では、表面にしっかりとした泡を立てるため、お茶は柔らかい味わいになります。

また、全般的な印象は、表千家武者小路千家は質素で落ち着いた印象があると言われているのに対して、裏千家は華やかと言われています。お道具は、亭主の趣向に応じて変わる部分もありますが、こうした見た目に分かる違いは、判断のポイントになるのではないでしょうか。

各流派のお点前が見られるイベント

「銀茶会」はご存じでしょうか?
毎年10月中旬~下旬あたりに銀座で開催されるお茶会で、歩行者天国のあちこちで各流派がお点前を披露します。気軽に参加できるので、こちらで各流派について見比べてみるのも楽しいかもしれません。

終わりに

いかがでしょうか。決め手の参考になったでしょうか?
実際のところ、思想やお点前に違いがあると掲げたものの、これらは決め手として認識しづらかったのではないでしょうか?

習っている身としても、自分の流派の習得においても「学びに終わりは無い」と思っているため、ましてや他の流派について学んだり、比較する機会が無いため、聞きかじった情報となります。そのため、他の皆さんもいざ学び始めて「あっちが良かった」と思うことはまず無いのではと思います。

最後に元も子もないことを書いてしまい申し訳ありません。。。ただ、実際のところ茶道を学んでいる人は、流派について「そのように捉えている」と知っていただければ幸いです。