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茶道を始めたきっかけ三大分類

 

茶道になんとなく興味がありつつも、なかなか一歩を踏み出せず躊躇している方もいらっしゃると思います。

そこで、実際に茶道をしている人がどのようなきっかけで始めたのか、私の身の周りの例を基に分析してみました!大きく3つに分けてご紹介したいと思います。

分類1.日本文化を知りたい

このきっかけの方が一番多いと思います。「日本文化」と言ってまず最初に思い浮かぶのが「茶道」ではないでしょうか。

茶道の一番シンプルなスタイルは、「お茶を点てて飲むこと」ではありますが、お茶を取り巻く要素として、花や和菓子、茶碗などの焼き物、着物など、さまざまな日本文化が集合しています。そのため、日本文化の象徴として捉えている方が多いように思います。

では、なぜ「日本文化、茶道を知りたい」と思ったのでしょうか?

 大人の教養・たしなみとして

私の印象では、だいたい30代に入ったあたりから、「大人として恥ずかしくないように」という意識で、友人から茶道に関する質問を多く受けるようになった気がします。

和室での振る舞いに自信を持ちたい、旅行先で抹茶を頂くときに不安、経験としてお茶会に参加したい、など。

また、経営者の方などは、お茶会に招かれる機会もあり、自然と上座に座ることから、教養・たしなみとして必要性を感じているようです。

 日本を紹介するため

留学や海外赴任などで海外に住んでみて、「日本人なのに日本のことを紹介できない!」と気づき、帰国後に始める方もいらっしゃいます。また、外国の方が日本を知るために茶道に触れたい、というケースもあります。

私がコーチをさせていただいている中高の茶道部でも、海外からの留学生のカリキュラムの1つとして茶道体験が入っており、茶道部員にとっても留学生にとっても「日本」を紹介/知る時間として、良い気づきの機会となっています。

分類2.精神修養として

日本のもので「道」が付くもの、茶道をはじめ華道、剣道、柔道などは皆「型」があります。初めのうちは、右・左といった”手順”が目についてしまうかもしれませんが、全ての所作を「型」に沿おうと意識することで、集中力が高まります。また、忙しくて心が乱れている時にも「型」を追っていくうちに、自然と心が鎮まっていくのが感じられるようになります。こうしたところが、精神修養と言われているゆえんだと思います。

この効果を活かして、スポーツ選手が訓練の一環として茶道を取り入れている、という話も最近よく聞くようになりました。集中力を身につけるだけでなく、茶道が持つ「静」のエネルギーを取り入れることで、「動」であるスポーツでより高いパフォーマンスを上げることができるのかもしれません。

また、経営者の方も禅と近い感覚で茶道を取り入れ、忙しく乱れた心を中庸に保ち、日々の決断や取捨選択に活かしているようです。

分類3.着物を着る場として

私のお着物仲間たちは、着物が着られるようになったことで、”着物を着る機会として”茶道を始めた/始めたい、という声が多くありました。

茶道の所作は、着物を着ていることが前提なので、洋服では意識しにくい「歩幅」や”袖が茶碗に入らないように”と考慮しての「手や腕の動き」があります。そのため、着物を着て茶道のお稽古をすることは、ただお出かけするよりも、着物の立ち居振る舞いを身につけることができ、素敵に着物を着こなすうえでも効果的でおすすめです。

 

いかがでしょうか。上記は主な3つでしたが、この他にも「和菓子が好きだから」とか「建築物としての茶室」に興味を持って始めた方もいらっしゃいます。
私のようにタダモノじゃない人になれる!?というきっかけの方も少なからずいらっしゃるかもしれません(笑)。

しかし、私の経験上、きっかけはどれであれ、いざ始めてみるとご紹介したこれら全ての場面に直面します。そして「やっぱりお茶をやってて良かったな」と想いをあらたにすることになります。

茶道にはさまざまな側面があるからこそ、皆さんのきっかけもさまざまです。あまり堅く考えずに、一歩踏み出してみることをおすすめします。迷われている方に少しでも参考になれば幸いです。