和を楽しみ、暮らしを豊かに

和文化を現代の生活にうまく取り入れて、心豊かな暮らしのお手伝いができれば幸いです。

お茶会体験会 2月

ひな祭りにちなんで

2月のお茶会体験会は、来週に控えたひな祭りにちなんだ趣向にさせていただきました。
こちらのお菓子は、金沢の和菓子屋「森八」さんのものです。

左奥がお内裏様、右奥がお雛様、手前が橘を模したデザインです。橘は、「右近の橘、左近の桜」という言葉にもあるように、京都御所紫宸殿正面に向かって左に橘、右に桜が植えられていることから雛壇にも飾られる花でもあります。

この日のお客様は二人でしたが、菓子器に盛るお菓子の数は奇数にするお約束から3個入れています。

桃の花

炉の季節(11月~4月)には、椿と枝物を用意するものなのですが、相変わらず我が家の椿の蕾がいっこうに膨らまないので、桃をご用意しました。

床の間の写真を撮り忘れたのですが、お茶会当日は、今にも咲きそうなふっくらとした蕾でした。

1日置いたのが、下記の写真。
すっかり開き始めました!淡いピンクが春らしさを感じます。

お茶会体験会

まずは、和室での立ち居振る舞いの基本となる下記を実践しました。

・扇子の使い方
・お辞儀の種類(真・行・草)
・和室での歩き方
・襖の開け方&締め方
・床の間の拝見の仕方

その後、お茶会形式で濃茶・薄茶を点てさせていただきました。

濃茶はビリジアン!?

経験として濃茶をぜひ飲んでみたい!とのご希望で一服目は濃茶をさせていただきました。今回の参加は親子の方でしたので、本来の濃茶の頂き方(回し飲み)でご案内しました。

先月の体験会ではお姉ちゃんが参加され、”濃茶の衝撃” について家でいろいろ聞き、興味を持ってくれたようです。ドロドロで苦くて、なかなか辛い体験だったようですが、印象的だったのは「濃茶はビリジアン」とのこと(笑)。

久しぶりに聞いた「ビリジアン」という単語!確か小学生の頃に絵の具に入っていて、聞き慣れない単語に驚いた覚えがあります。私は、その後の人生で絵の具以外に一度も「ビリジアン」に遭遇したことがありません。え?あります??

私の印象では、ビリジアンは”青みが強い緑”の印象でしたが、色名辞典で調べたらこんな色でした。

絵の具以外に遭遇したことがありません

意外と濃茶に近しい色で、新しい発見でした(笑)。

さて、妹さんの濃茶の感想はというと、前情報が強烈だったせいか「思ったよりも大丈夫!」とのことでひと安心しました。

筒茶碗で薄茶を

二服目は、この時期ならではの筒茶碗で薄茶をさせていただきました。
一般的なお茶碗よりも口が狭い「筒茶碗」は熱が冷めにくいので、主に1~2月の冬に使われます。

詳しくはこちらの記事もご参照ください。

 

薄茶のお菓子には、金沢の和菓子屋「諸江屋」さんの「花うさぎ」をご用意しました。梅をかたどった干菓子で、和三盆の柔らかな甘みのある上品な和菓子です。

諸江屋の「花うさぎ」

終わりに&おまけ

2月も無事にお茶会体験会を終えることができました。今回、桃の花を用意しましたが、運んでいる間に蕾がポロポロと落ちてしまい、咲くことができないのは可哀そうだったので、ダメ元でガラスの器に水をはって浮かべていたら、一晩で次々と花を咲かせてくれました♪

落ちた蕾が咲いてくれました!

週明けには3月を迎えますね。春は間もなくです!
少しずつ春を見つけていきましょう。